狂おしい程の愛

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10月23日(月)曇り 今日の天気は最悪だった。一面重苦しい雲に覆われた空が、ただでさえ陰鬱な気分をよりいっそう深めた。 昨日から、何かの拍子に事故の事を思い出す。 ねっとりした血液の質感や、鉄臭い血の臭いが鮮明に思いだされるのだ。 その事を思いだすたびに、胸が締め付けられるような気がする。 だが私は、事故を思いだすがために苦悩しているのではない。 同時におぼえる、筆舌につくせぬ昂り。 それにこそ、私は、苦悩しているのだ
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