ぶっ飛んでる

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バンド 数人の奏でる音が合わさり曲となる瞬間 僕らはサイコーにハイになる それは曲が終わるまで続く 一曲約5分ほど、気分はサイコーなのだ 「ぶっ飛んでる!!」 俺は思わず叫んだ 「いやぁこの曲気持ちよすぎ。マジでみんなぶっ飛んでたわ」 頭ブンブン振ってたボブが言う ボブが言い出したのだったか、僕らは凄くカッコいいものをこう表現する 「とりあえずこの曲は固まってきたな、あとはけーすけ歌詞頼むな」 ケンシンが言った この曲は替え歌にするので歌詞を考えなくちゃならない 大まかには出来てるので、あとはリズムに字数を合わすだけだ 「まぁもうすぐそっちは終わるけぇ、今日はこの辺で終わるか」 「ほんまじゃあ、顧問の煩いのが来るで」 ヒロシはもう片付けを始めていた。全くもってマイペースB型である あーだこーだ言いながら片付けも終わった 寮生のケンシン、ボブとは出口で別れ、俺とヒロシは坂を下って帰る チャリ置き場に着くと軽い人だかりが出来ていた そのさきに、後ろ向きで自転車をこいでいる奴がいた 「うおっ、すげぇーなぁ」 「なんなぁアレ(笑)」 二人ですげぇすげぇ言いながら見ていると、その男は嬉しそうに 「オレ自転車と友達じゃけぇ~!」 まさにその通りじゃなぁなどと思っていた矢先、人だかりに愛想を振り撒いていた彼は、前(正確には後ろ)の電柱に気付かず軽く吹っ飛んだ 「ははは!!ぶっとんでる!!!!!!!!」 その時、人だかりの中でその言葉の真意を理解したのは俺たち二人だけだった
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