いくらか未来が好きになる

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「あー。また寝てたー」 退屈な授業が終わってあくびをしていたらクラスメイトの女の子に話しかけられた 「だってあの話よぉ分からんけぇ退屈なんじゃって」 「寝とるばっかでテスト大丈夫なん?」 「まぁなんとかなんじゃねぇ?」 何処からそんな自身がわくのか、俺には危機感が足りないようである 実際あまりなんとかなった試しはないのだが、生きてりゃいいじゃないかと最終的に結論づける 毎度のテストの悲惨な結果を知ってる彼女は何か言いたげな目をしたが、何も言わず笑って去っていった なんだかんだで文化祭も近づいてきたわけで、休み時間も用意に励む姿が珍しくなくなってきた テストなんかより、年に一回の一大イベントを盛り上げることで皆頭が一杯だろう ――でも正直ショボいんだよなぁ 誰か有名人だの歌手だの呼べばちょっとは面白くなるのに、ケチな学校で毎年検討しても上の奴らは首を縦に振らない ――今年は俺らが盛り上げたるわ と、立派な目標もでき、俺は残りの貴重な休み時間を睡眠にまわすことにした ……ーン、カ……コーン 「……ぅ…ん~、よく寝たぁ……」 なんだかよく寝たなぁ と、目を擦ると担任が教壇で本を読んでいる ――あれ?次の授業は違う先生じゃ… 周りを見渡すとみんな読書をしていた そこで気付いた さっきの授業が四限目だったことに そして昼休みを全部寝てたことに 我が校では昼休み後に読者タイムというとても平和な時間があるのだ 今がその時のようである そんなことより、俺は昼飯を食い損ねたことで頭がいっぱいだった 今ごろになって腹の虫が呻き声をあげる ――寝てる間に主張してくれよ… 読んでいる途中だった本も気になったが、俺の頭はどうやって弁当を食うかでフル回転だった そして一番大事なことにたった今気付いた ――……あ、今日弁当ない 遠くからゴングの鳴り響く音が聞こえる ――終わった……あぁ、ツイテねぇ…… ごく僅かな憩いの時間を奪われた俺のテンションはひどく落ちていたのであった
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