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戻ってきたナイルからお咎めはなかった。
「…ウォルフ、ここにいた狼、どこに行ったか教えてくれるかい??」
「茶色いの??…知らない」
あたしは興味の無いフリをして、自分の寝場所に寝転がった。
「ったく…」
ナイルは頭をガリガリ掻いた。
あたしは、ナイルが戻ってくる前にドアをほんの少し開けた。
リトルが出て行ったほうの扉はもちろんちゃんと閉めた。
ナイルはあたしがドアの開け方を知ったことをまだ知らない。
逃がしたのはあたしじゃないと思うだろう。
「誰だ…??」
ナイルはため息を一つつき、部屋から出て行った。
人間って不便。
ニオイを嗅ぐことが出来たら、すぐかるはずなのに。
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