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ある晴れた日のこと。
澄きった空では、白いわた雲がのんびりと気持ちよさそうに泳いでいる。
ここ、私立月城学園中等部ではちょうど昼休みに入ったところで、教室で居眠りをする生徒もいれば、運動場で走り回っている生徒もいる。
「はぁ~…」
そんな平和な光景を見ながら、一人の少女が溜息をついた。
長い髪をポニーテールにし、すらっと背の高いこの少女は、手にモップをにぎっている。
薄暗く、埃臭いこの場所から見えるものが、羨ましいとでも言いたそうな表情だ。
「ふーっ」
もう一度溜息をつき、手を動かし始めたその時・・・。
ドサ ドサ ドサッ
真後ろから、不吉な音が聞こえてきた。
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