5. 黛-mayuzumi-

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新しい秋の薫りが鼻についてゆく頃 茜色の西空に手を高く――― 三角屋根 ひらひらひらひら舞う木の葉 見ていたのは 感じていたのは―――――何? 流れた それはもう見えない 分かっていたのに 後ろを振り返っては―――想っていると分かりたくない 半沈みの太陽が 大地を斜めに照らし 私の影を無情に伸ばす 伸ばさないで 生きていると感じたくないから――――― 散っていく紅葉は 合わせ鏡の様ね 励ましているの? それとも貶してる? 半沈みの太陽が 大地を斜めに照らし 私の影を無情に伸ばす 伸ばさないで 生きていると感じたくない 夕焼け竈小屋 燃える赤の炎 私の心も一緒に焼いて―――― 消えてください これ以上嘆きたくないから――――――― ―――有難う――――
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