10人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
6時を回ると【ネクタイ族】がやってくる。
サラリーマンだ。
『いらっしゃい、杉さん、悪い、詰めてやってくんないか?』
『おぉ⁉企業戦士には譲ってやんねぇとな。兄さん達、こっち座んな、さあさあ‼』
杉さんは店員のように嬉しそうに若いサラリーマン達を奥に通した。
何だかんだで、社会に対する関わりを求めては、自分は引退した身で言うが、とワシの若い頃話を有りがたく聞かせてやるのだ。
ころあいを見ながらやらないと、当然ケンカにもなる。
実は一度俺は杉さんを【出入り禁止】にしたことがある。
しかし
「その姿勢が気に入った‼」
と店にちょくちょく入り浸るようになってしまったのである。
最初のコメントを投稿しよう!