『ビョーキ』

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 病室から出られないまでも、程々に楽しく暮らしていた僕だけど、突然の悲劇が起きた。  ……両親が、事故で亡くなった。  ショックだった。 今まで毎日のようにお見舞いにきて僕を元気づけてくれたお母さんも何かと気遣ってくれたお父さんももうこの世にいない。  正直、その時に死のうと思った。簡単な事だ。無理矢理病院を抜け出してうろつけばいい。多分、そのまま死ねる。  けど、それは友達が皆で引き止めてくれた。泣きそうになった。友達ってイイ。今は皆中学生になってるけど、小学生の時から変わってない。優しい、いい友達だ。    けど、悪い事に悪い事は重なるものなんだね。    僕は聞いてしまった。  いつも通りお見舞いにきた叔父さんと叔母さんの部屋の外の会話。  その日は何故かとても静かで、会話は驚く程よく聞こえた。 「どうするのよ……あの子の入院費。冗談じゃないわよ」 「まぁまぁ……遺産で暫くは払えるさ」 「それでも生き延びたらどうするの!とてもじゃないけど払えないわ」 「それはそうだが……」 「忌々しい……早く死んでくれないかしら」 「……しっ! 聞こえたらどうするんだ!」 「構わないわ、あんな子!」
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