『ビョーキ』

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「お前……死んだハズじゃ……!」  ……!  僕が……死ん、でる?  ……じゃぁ、まさか。 「なら今の僕は……幽霊かな?」  って事かな。不思議じゃない。生きてるのがおかしいならそういう事だろう。 「ハ、ハハハ……本物の、望か?」 「もちろん」 「やったー! 望ー!」  賢哉はすごい勢いで抱き付いてきた。余程嬉しかったみたいだ。 「行くぞ! 他の奴等にも知らせてやらにゃ!」  近くの本屋に背が高い慎太郎がいた。最初は賢哉みたいな反応をしたけど、すぐにいつもみたい微笑んで、 「おかえり、望」  って言ってくれた。  これで3人のうち2人が揃った。後は……海里だけだ。ところが、肝心の海里が。 『ごめんね。今、ちょっと塞ぎ込んでるのよ、あの子』  海里の母親がインターホン越しにそう言った。  だけど、賢哉が頑張って部屋から出す事に成功。海里は、僕を見た瞬間、賢哉を超える勢いで抱き付いてきた。  ……やっと、全員揃った。  揃った所で、僕はひとつの提案を出す。 「じゃ……揃った事だし、海に行こう。そこで、やりたい事があるんだ」
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