赳歌

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「あぁそうだ。今日泊まる場所は、村長邸だから、あまり失礼ないようにな」 「え!ホテルや民宿じゃないんですか?」 「名物や名所がない場所だから一般の人が来ないしな。歴史は有るだろうけど、とかく閉鎖的な村がよそ者、特に観光客なんか呼ぶわけないだろ。だから宿なんかないの」 「でもよそ者を嫌う村の村長が、何故大学の人間なんか招き入れるんですか」 「うぅん?何でだか解るか?」 「解らないから、聞いているんですが。」 「おまえも長くゼミにいるんだ。自分で答えを考えて導き出しな。誰かの過程から乗っかるなんて誰でもできるぞ。」 「…………………」 ちょっといい気味だ。 人の楽しみ奪っといて、甘えるんじゃないよ。 さて、とりあえず俺も資料読み返しておきますか 木惚村 きこつむら キコツムラ まぁだいたい解るけど、 でも村や町は意味がある名前をつける <鬼の骨>なんてどこにも引っかからなかったのが 気に入らないな。 うん? 教授の手紙か? 資料の一番後ろには、たぶん俺宛の資料があった
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