赳歌

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うたう うたう うたう よべやかみさま つどえやかみさま ゆらべ ゆらべ ほねをもっと にくをもっと かみだなかざって よびましょう あしたはきっと はすのいえ あさってきっと まえのいえ かみさまよんで あそびましょう 月由君へ これはこの村に一度来たことのある、企業家の秘書が 童歌だったと 教えてくれた一説だよ 読みがなをかかなかったのは 読みがなを調べてほしいからだ この歌が<生贄>に関しているならば 順番が決まっており 人為的な殺人かもしれない可能性もあると、推測する為だよ。 後補足だが つい先日だが その村付近の高速道路の下あたりで 数十匹以上のカラスの変死体があったらしい。 すべて骨をくだかれており 肉に至っては、引きちがれた様だったそうだ。 狂人が起こしたにしては、数が多すぎるし 動物の食べ残しにしても、奇妙だ。 これらも同義の事件ではないかと、私は考えている。 相変わらずの不透明感ある始まりだが よろしく頼む。 ……大学教授 明太川 寛 <アクタガワ ヒロシ> 童歌か……………… しかしこの歌の<ほね> もっと、にくももっと 復活の儀式か? かみさまと言うからには、案外、<かみさま>の神社があるだろうな 何にしても 推測だけ立て続けても仕方ない 俺は、ポケットからCABINを取り出すと、口に加えてライターをつけた 勢いよく吐き出した煙が霞の様に 俺の頭の中を包んでくれる ワクワクしてくる話だ。 久しぶりに命の危険さえくるかもしれない 楽しみだ。 もう一度深く吸い込み 現地到着するまで、気を鎮めようとしていた。
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