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気になってきた久司は、とりあえず<それ>の近くに行った
「ちょっと、止めときなよ!心霊スポットだったら、祟られちゃうわよ!」
彼女の止める言葉も聴かず
久司は先に先にすすんでいった
「もぅ!!待ってよ!!」
たまらず彼女も後を追いかけていった
埃をかぶり土気色になった<墓石>
たった一つしかなくまた、花活けを飾る場所さえない
だが確かにそれは
<何か>の墓だった
久司は墓石の埃をはらいながら
そこに刻まれていた文字を見ようとした
後から彼女も追いかけてきた
「何だろ?ちょっと現代っぽい漢字だね?」
「ほんとだ、何だろ?う~ん?」
「たて、奉らん。かな?しまい?お……駄目だ、読みにくいや、風化に近いから読める文字でも、何だかな?って感じだし」
「ねぇもう行こう!何かここだけ酷く暗いし、気持ち悪いし。」
「そうだな!これ以上さやかに恐がれてちゃ、旅行も楽しくなくなるからな」
少し墓石にめを見た後
「じゃあ行こうぜ、足元気をつけてな」
ゆっくり戻ろうとした
その時
ガコンッ
墓石が後ろのめりに倒れた
「ちょっと久司!!」
「違うって埃払っただけだし」
「でも直しとかないと、見つかって弁償とかになったら嫌だし」
「直すか、仕方ないし」
しぶしぶ倒れた墓石を持ち上げようとして
墓石の中身を久司は奇妙な感じで見ていた
そこにはただ一つ
骨が閉まってあった
好奇心からか久司はその骨を手に取ってみた
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