鬼骨街

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数時間前…… 慶一が意識をなくしていた頃、羅漢と星切りは一触即発の雰囲気になっていた…… 周りの狭喜や郷歌は羅漢の放つ臭気に昏倒し、剣を支えて立っていた田村麻呂も、油汗を流していた。 そんな事を気にも止めず、星切りは羅漢とにらみ合っていた {ウツヨニミレンナドナイガ……ワレノホンシツハ、ハカイヲノゾム……ヨミナドノクチタサキヨリ、ウツヨノカタワラタノシムホウガヨイ……ノウ……ハラカラヨ……ヌシモカツテハソウダッダロウニ……クククク……} ……いちいちと感に触る、お前を同朋等とほざいていたのは、幾年月に流してしまった……貴様は、最早、敵以外の何者でもない、一変もなく朽ち果てさしてやる!!!…… あったのは、異常なまでの人ならざる物達の会話…… 誰一人として、入れるはずはなかった…… 同じく異常になった者以外は…… それは、突然の出来事だった…… 異常な雰囲気に飲まれ、星切りも羅漢も慶一の今の状態に気を止めていなかった 慶一が、異常になっている事など解らなかったのだ…… ゆえに…… 突然星切りを構え、突出し、先ほどまで斬れなかった羅漢を、斬る行動に対処出来ないでいた
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