鬼骨街

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「……せ……先生?……」 『厳密には、違うな人の身に眠りし、強気者よ……我は……いや我等は、ある種の集合体だ……』 ……以前に似た臭いも感じるな……集合体といったが、まさか…… 『そうだ……神絶つ剣よ……闇の根元たる後ろに隠れし者の計らいにより、我等は今一度現世に出てきた……』 「羅漢の後ろ?……道鏡と名乗る、蒲田唐の主か……」 ふらふらになりながら、田村麻呂が、慶一に訪ねた 『それは、是であり否である……古の武士よ……奴もまた一つではない……世界に繋がる。嘲笑う者……全てを誘い、全てを導く者……』 ……漠然とし過ぎているなぁ……大体の主の波動を感じる辺り、それに敵対していた者……まぁ推測ならば成り立つが…… 『今は、それでよかろう……それに朽ち果てかけた、異形なる門を、黄泉に誘ってあげる事こそが、大事……門になりし者の娘よ……』 慶一に降りていた者は、狭喜に近づくと、星切りを手渡した 「……えっ……」 『神威の剣は、今我等が力により満たされている、主の体を喰いはしない……故に、あの者を昇華し黄泉に誘うのだ……悲しき連鎖を絶つために……』
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