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星切りを手に持ち、震えながら、その剣を見ながら答えた……
「父さんは、誰よりも強く有らんとしていた、都に不正を正し、幾人の高官を裁いてきた……でも権力の前に、捨て去られた、誰でもない、帝によって……信頼され信頼し合った一族に……でも母さんが言った……
都が何ですか……
私達三人で一生懸命生きていけば、私は幸せですよ
私達にはさきもいます。
ならそれが何よりも嬉しい宝です。
都の暮らしより、今ある家族の幸せが、私には何もにも耐え難い大切な糧です。
父さんはそれから、苦しみを喜びに……
家族を魂に考えて生きてきた、母さんが死ぬまでは……」
星切りを握りしめ、ゆっくり立ち上がり雹重に近づく……
「でも……父さんは頑張った……町にたどり着き、遮二無二みんなの為に頑張って、母さんの喜びをみんなに……」
星切りを振り上げると、顔をくしゃくしゃに歪ましながら……
「大好きだった……」
「私達もだよ……さき……」
異形に朽ち果てた姿に、かつての狭喜の父と母が現れる
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