1日目 昼

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どれどれ一口。 ぱく…………ふむ…生地は外はやや固くしかし中はふっくらとして、ちょっとごわごわした食感がまた面白くそしてわずかに甘い。 中身のペーストは決してくどくはない甘さでざらっとした舌触りがこれはこれは、うん。 「おいしい……」 つい顔がほころんだ。 「くぅー、お嬢ちゃん笑顔だとまた一段と可愛いな! たまんねーよ! そうかそうか、そっちも美味いか!」 「はい。『やっぱり』おいしいですね」 それにしても流石プロだなぁおっちゃん。 本当に一度きた客への対応みたいだ。 だが私も負けてないだろう。 おっちゃんと笑顔で別れ私はパンケーキをパクつきながら大通りを歩いた。 さて、このあとはどうしようか? 買い物は一通り終わったしイシュファースを捜す気は面倒だからないし、ん~……。 お? 私はとある店のショーウィンドウズの前で立ち止まった。 残り3分の1程度のパンケーキをくわえて屈み込んで内側を食い入るように見る。  
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