1008人が本棚に入れています
本棚に追加
†
あまり人通りの少ない裏通りに入ったところであのちっこい青髪を見つけた。
気配を殺しそーっと背後から近付き、相変わらずの細腕をガシッと掴む。
「っっ!?」
「やっと見つけたぞレーレ。て言っても本当は捜してないけどな」
「は、はい?」
自分が不意を突かれたためかレーレはひどく困惑した表情をみせた。
珍しく眼を素のまん丸に戻していたがイシュファースは特に疑問を持たなかった。
レーレがやったように上から下へ、下から上へと視線をスクロールさせる。
「ほほう、もう着替えたのか。結構いいんじゃね、それ?」
「え…あ……はあ……?」
「にしても悪かったな。ちょっと余所見してる間にまさかはぐれるとは思ってなかったぜ。つってもお前だって急にどっか行ったんだからお互いおあいこだろ? だから怒んなよ」
「いえ…別にいい……で――」
「で、見ての通り俺まだ服買ってねえんだよ。それに普段からあんましそういうことは気にしてなかったんでな、何買えばいいかいいか解んねえんだ。悪いけどレーレ、選んでくんないか?」
「…あ…………ああ~」
最初のコメントを投稿しよう!