昼下がりの逃亡劇

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こんな状況で冷静沈着に自分の心情を描写できるほど私はスゴい精神なんか持ってねーよ! お前たちに解るように言うとな、「長門」とは違うのだよ「長門」とは!ってだぁあああああぁぁぁぁぁぁアイ(゜▽゜)ゝ口調変わってきた~~~!! 落ち着け!落ち着けレーレ! リセット!気持ちをリセットするのっ!! 今は振り切ってるからともかく立ち止まるの! フー フー フー フー フー…ふう。 いや、だって、だってだぞ。 あの武器ショップで背中から何か足音が聞こえてきたから何とはなしに振り返ってみたら、あのあんちゃんたちがずらり整列してて、どうみても私に対してで丁寧な口調で「すみませんがこちらへついてきてくれませんか」だぞ。 人さらいくらいしか浮かばなかった私が悪いのか? だってジリジリと近づいて間合いを詰めてきたんだぞ? 無論即逃げたさ。 そうしたら今度は追いかけてきたんだ。 大通りを走っても見通しがいいだけだ――そして何より恥ずかしい――と思って裏路地に入ったはいいが……よくよく考えるとホームグラウンドはあっちのではないか。 逃げ切れるかどうか不安、というか無理かもしれない。  
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