第一話

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私は周りを見渡し、溜め息をつく。 あまり人混みは好きじゃないし、人酔いが激しいほうだった。 雛「あー…凄い吐きそう。今なら吐ける気がする」 ブツブツ言いながら、少し色の違うシャンパン片手に壁にもたれかかっていた。 すると、前方から走って来る子が一名。胸ポケットにブーケが刺さっているので、私と同じ新入生だと分かった。 「おーいッ!!」 雛「………?」 辺りを見回し、私に喋りかけている事を確認する。 「そうそう、そこのアナタッ!!」 雛「私に何か…?」 「そのッ…シャッ…パ…こで…」 彼女は、息を切らしながら喋る。 何を言っているかさっぱりだ。 雛「大丈夫?落ち着いて」 彼女は深呼吸をすると、再度喋り出す。 「そのシャンパンッ…何処で貰ったの!?」 凄い笑顔で、私のシャンパンを指差した。 雛「あ…あっち?いや、こっち?」 「いやいやいや、分かんないからッ!!全く分かんないから!!」 雛「…そんなの忘れました」 「えー…ッ飲みたかったのに」 彼女は口を尖らせると、私の隣に並んだ。 雛「じゃあ…私の飲む?」 一口も飲んでいないシャンパンを差し出すと、首を傾げた。 「えッ!?いいの?」 彼女は嬉しそうにシャンパンを受け取る。
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