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私は周りを見渡し、溜め息をつく。
あまり人混みは好きじゃないし、人酔いが激しいほうだった。
雛「あー…凄い吐きそう。今なら吐ける気がする」
ブツブツ言いながら、少し色の違うシャンパン片手に壁にもたれかかっていた。
すると、前方から走って来る子が一名。胸ポケットにブーケが刺さっているので、私と同じ新入生だと分かった。
「おーいッ!!」
雛「………?」
辺りを見回し、私に喋りかけている事を確認する。
「そうそう、そこのアナタッ!!」
雛「私に何か…?」
「そのッ…シャッ…パ…こで…」
彼女は、息を切らしながら喋る。
何を言っているかさっぱりだ。
雛「大丈夫?落ち着いて」
彼女は深呼吸をすると、再度喋り出す。
「そのシャンパンッ…何処で貰ったの!?」
凄い笑顔で、私のシャンパンを指差した。
雛「あ…あっち?いや、こっち?」
「いやいやいや、分かんないからッ!!全く分かんないから!!」
雛「…そんなの忘れました」
「えー…ッ飲みたかったのに」
彼女は口を尖らせると、私の隣に並んだ。
雛「じゃあ…私の飲む?」
一口も飲んでいないシャンパンを差し出すと、首を傾げた。
「えッ!?いいの?」
彼女は嬉しそうにシャンパンを受け取る。
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