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7月7日・・・世間でのこの日は旧暦の七夕となっている・・・漆黒の宵闇に瞬く幾千万の星達により形成された天の川・・・ミルキー・ウェイ・・・その中でも最も輝き美しい星、織り姫と彦星・・・互いに好き合い・・・しかし、けして結ばれる事が無い星・・・いや2人・・・ふと七夕伝説を・・・重ねて見たりしてみる・・・俺達2人・・・
「馬鹿な考えは止めだ止めだ!・・・俺達は既に結ばれてるんだ」
1人の少年が頭を左右に振りながら砂をパンパンんと払いながら立ち上がる・・・少年が今居る場所はある街の海岸に繋がる石段・・・そしてその傍に座っている1人の少女が不思議な表情をしながら少年を見ている・・・
「いきなりどうしたんだ隼人?(はやと)驚いたじゃないか」
彼の名は 星川 隼人(ほしかわ はやと)
「何でも無い!只の独り言、独り言!だから気にするな奈々瀬(ななせ)」
そして彼女の名は平塚 奈々瀬(ひらつか ななせ)・・・何故彼らがこんな所に居るかというと・・・一つの区切りをつける為・・・最後の夜を共に過ごすためである・・・
「なぁ・・・奈々瀬、明日・・・なんだな」
「あぁ・・・明日だ」
「余りにも中途半端な時期だな・・・つき合い始めた期間も・・・夢を追いかける時期も」
「だけど今しか無い」
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