35人が本棚に入れています
本棚に追加
麗奈の母は泣き叫び…
父は、涙を堪えているようだった…
俺は…
現実を受け入れられず…
ただ…座って‥
その光景を見ていた…
泣く事もなく…
ただ…
ジッと座っていた…
「陸……」
麗奈の父は、俺に話かけてきた…
麗奈の家とは、家族ぐるみの付き合いしてたから…
両親共に仲良かった…
俺は…黙ったまま…
麗奈の父を見た…
「陸…下敷きになった麗奈を‥
最初に見つけてくれたそうだな…
ありがとう…
麗奈も喜んでいるよ…」
『…違う……
俺の…俺のせいだ…
俺が…門で待ち合わせしなきゃ…
麗奈を先に帰らしておけば…
待たせなければ…
麗奈は…麗奈は…
俺が…俺が麗奈を…』
気付いた時…
俺は…
大粒の涙を流しながら、自分を責めていた…
そんな姿を見て…
麗奈の両親は、優しく抱き締めてくれたんだ…
「頑張って…陸が、悪い訳じゃない…
そんな陸を見たら…
麗奈‥悲しむよ?
麗奈を悲しませないように…
自分を責めないで…しっかり生きて…」
俺よりも…
辛いはずなのに…
麗奈の両親は…
俺を元気付けてくれた…
麗奈が死んで…
2年…
俺は…
この時の事を、今でも覚えている…
最初のコメントを投稿しよう!