どんな君も好き。

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web事典より【ヘタレ=情けなかったり臆病だったりすること。また、その人のこと。】 俺は田中武、20歳。 親友や復縁した彼女から「ヘタレ」の称号をつけられている男だ。 「…なぁ、セン」 「どうしたタケ?」 今日はナギは用事があっていないから、センと食堂で昼食をとっている。 俺はきつねうどんで、センは焼き魚定食。 昼から渋い。 「俺って、ヘタレってやつなのか?」 カラン 「あ」 俺の質問に、何故かセンが箸を落として俯いた。 「おい、セン?」 急なその動作に俺は驚いてセンをみたが… すぐにわかった。 「っくく」 肩を揺らして笑ってやがる、こいつ! 「真面目な顔で何言い出すかとおもったら、俺ってヘタレ?ってお前…!っくくははははっ」 ソコまで笑うことか!? だって、ナギの阿呆はヘタレへたれヘタレって連呼するし。 サチコだってことあるごとに言うし。 ちょっとは気になるだろう? 「だってお前、情けないヤツだろ」 …センさん?てめぇ本当に親友か? 「…俺ってそんなに情けねぇ?」 なんかちょっとだけ気になってきた。 少しはなんとかしたほうがいいのか?っていうかどうやって? 「あんたバカ?」 悶々とし始めたら、唐突に背後から声がして、ぺしり、と頬を手で挟まれた。 「「…!!」」 驚いたのは俺だけじゃなくて、センも。
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