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「ごめんなさいね、お邪魔するわよ?」
多分、声の主…俺の彼女のサチコは、にっこり笑顔をセンに向けたに違いない。
少し困った顔だけど、センは確かに、ほんのりと照れ笑いを浮かべた。
コノヤロウ…サチコ…俺の親友たぶらかすな。
たぶらかすのは、俺だけにしておいてくれ。
いらん敵をこれ以上つくるんじゃねぇ。
復縁してから俺、周りの男子に結構恨まれてるから。男の敵とか言われてたし。
前は確かによってきてくれたら誰でもってカンジだったけど。
今はサチコ一本。
当たり前だろ、サチコよりいい女なんていねぇ。
「サチコ、なんだ?どうした?」
俺は自分の頬に触れるサチコの手のひんやりとした感触を感じながら問いかけた。
「アンタ、本当にバカよね」
「バカいうな」
俺は即効で言い返した。
ばかっていうやつがバカなんだ…!
「バカだからバカって言ったのよ。あのね?一度しか言わないからよーく聞きなさいよ?あんたがあんたじゃなかったら、私はあんたなんか好きにもならないし、こうやって傍にもいないわよ」
ナギばりのマシンガントークで、息を吸い込んだサチコはだーっと俺に言いたいことを言ってから、にっこり笑顔を落として去っていった。
「…風か、お前は」
取り残されたのは俺と。
「っくはははは、最高…っ」
ねじがとんでいつもとは全然違う感じになってしまってるセン。
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