どんな君も好き。

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「どういうことだ?ん?ええと、…俺はヘタレってやつでいいってことか?」 答えろコノヤロウ、とヒィヒィ言ってるセンの髪を引っ張ってやれば… 「そういうことだろ…、サチコ嬢が言うには、な。 私が好きなのは情けなくても頼りなくてもあんたなんだから、って言いたかったんだろ………って、たこか、お前は!」 センの話を聞きながら、さっきのサチコの顔、見れなかったその顔がどんな表情だったのか想像できて。 俺は激しく照れた。 「サチコ…っ、イイ逃げしやがって!」 そして悔し紛れの憎まれ口を叩いた。 「ヘタレにはしっかりモノが丁度いいってことだろ、プラスマイナスゼロ。もしくは、プラス1か2くらいになるんじゃないか? お前と違ってサチコ嬢はしっかりしてるからな!」 最近、センは俺に対して風当たりが絶対強いと思う。 ナギのせいだ、絶対。 「お前キツくなったよな!」 ぎっと睨んでやれば、 「我慢するのやめただけ」 しれっとセンは言った。 …まぁ、確かにセンはイイコちゃんすぎたかもしれないけど。 「…はぁ。いいけどな」 面倒くさくなってきて俺は食事を終わらせることにして再びうどんを食べ始めた。 「後でお前も言っとけよ?」 食べきった頃にセンがそんなことを言った。 「何を?」 「サチコはそのままのサチコが一番だって、な」 にやっと笑ったセンの顔。 ほんっとうに憎らしくて。 だけどその言葉、しっくり心に入ってきたから。 後でしっかり使わせていただきます。だからとりあえず… 「いてっ、やめろ、タケ!おいこら、タケ!」 ぐりぐりさせろ、このしったかぶり男め。 しっかり俺のこともサチコのことも見てくれてるお前がいるから、俺はこうやってバカできんだよなって。 感謝しつつも照れくさいからいえない。 その照れくささを、ぐりぐり攻撃としてセンにぶつけた俺。 コメカミがいたい、と後でから仕返しをされたのは、数時間後の話。
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