7人が本棚に入れています
本棚に追加
いつもと変わらない昼休み。
今日は、センがいないから、俺は食堂で昼食をとるつもりで食堂にむかった。
「…タケ?」
廊下を進んでいけば食堂前で、うろうろしている親友の姿を見つけた。
「タケ、どうしたー?」
手を振りながら声をかければ、
「っ…ナギ…」
情けない顔したタケが顔を俺のほうにむけた。
タケがこういう顔をするときは…
「なに?またさっちゃんと喧嘩した?」
俺の言葉に、タケが引きつった。
ビンゴか。
「…今度は何したんだよ?」
喧嘩が絶えないっていうか、頻繁に怒らせてるっていうか。
すぐに仲直りするんだけど…
「…いや、よくわかんねーんだよ。なんか、怒ってるオーラが出てるっていうか」
ぶつぶつと呟くようにバツ悪い顔してるタケ。
これもよくある。
「あはは、しょうがないな、本当タケは。ちょっと俺、行ってくる」
俺はタケの肩を叩くと、食堂の中に足を踏み入れた。
「ちょ、おい、ナギ!」
タケの制止する声が聞こえたけど、気にしないで俺は進んだ。
きつねうどんを注文して受け取って、トレイをもってさっちゃんの席に向かう。
「さっちゃん、お向かい良いかな?」
テーブルにトレイを置いてから聞く。
「どうぞ?」
にこり、と笑った笑顔。
…わー、機嫌悪いよ、これ。
って思ったけど、動じないフリ。顔には出さないで俺もにっこり笑った。
「ありがとう。よっと」
腰を下ろして、ぱちん、と割り箸を折って…そこから俺は話を始めた。
「タケがあっちでうろうろしてたよ。また何か怒らせるような事言ったの?」
あっさりとタケのこともバラしたのは、さっちゃんはわかってるだろうって思ったから。
案の定、さっちゃんは一瞬、眉間にしわを寄せた。
最初のコメントを投稿しよう!