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その後、よってくる子の誘い全部オーケーして、彼女探しに没頭したけど…
朝、俺の隣は毎回も抜けの殻なんだな。
もしかして俺って才能なし?何のって聞くのは無し。
俺の頭を、ぐしゃぐしゃにしながら、ナギが笑っていたら、
「ナギ、次は移動だろ」
センがやってきた。
そう、いま、大学の食堂に俺らはいる。
俺はナギやセンと選択が違うからここで別れるんだけど。
そいつらを見送ってから顔をあげたら…
「ちょっと話があるの、いい?」
俺の理想の女、俺をふったサチコがそこにいた。
ああ、やっぱいい女。
ロングが好きだった俺の趣味を根本から変えた女。
耳にかかるくらいのショートなのに、色気がすごい。
その笑顔に見ほれて。
俺は頷くとそのまま、学校前の喫茶店にサチコとともに移動した。
席についてから俺が頼んだのはメロンソーダ。
サチコが頼んだのはコーヒーをブラックで。
…どっちが男だよ、おい。
「あんた、いい加減、腰落ち着けなさいよ?うわさ届いてきてるわよ、このヘタレが」
いま、ぐさって俺の心に刃渡り8センチくらいのナイフが刺さったかもしれないぞ、サチコ。
それでも、サチコは相変わらずのはっきりした口調で容赦なく言った。
「もう私はあんたのフォローなんかできないんだから」
…そりゃ、そうだ。
彼女でもないんだから、とサチコは言わなかったけど、困ったような悲しいような顔をしたから、余計なことは言えなかった。
「な、サチコ」
俺は、ふっとまた、サチコと付き合えたらなあ、なんて思った。
「無理」
「ちょ、俺まだ何も…」
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