ヘタレでごめん。

3/6
前へ
/18ページ
次へ
その後、よってくる子の誘い全部オーケーして、彼女探しに没頭したけど… 朝、俺の隣は毎回も抜けの殻なんだな。 もしかして俺って才能なし?何のって聞くのは無し。 俺の頭を、ぐしゃぐしゃにしながら、ナギが笑っていたら、 「ナギ、次は移動だろ」 センがやってきた。 そう、いま、大学の食堂に俺らはいる。 俺はナギやセンと選択が違うからここで別れるんだけど。 そいつらを見送ってから顔をあげたら… 「ちょっと話があるの、いい?」 俺の理想の女、俺をふったサチコがそこにいた。 ああ、やっぱいい女。 ロングが好きだった俺の趣味を根本から変えた女。 耳にかかるくらいのショートなのに、色気がすごい。 その笑顔に見ほれて。 俺は頷くとそのまま、学校前の喫茶店にサチコとともに移動した。 席についてから俺が頼んだのはメロンソーダ。 サチコが頼んだのはコーヒーをブラックで。 …どっちが男だよ、おい。 「あんた、いい加減、腰落ち着けなさいよ?うわさ届いてきてるわよ、このヘタレが」 いま、ぐさって俺の心に刃渡り8センチくらいのナイフが刺さったかもしれないぞ、サチコ。 それでも、サチコは相変わらずのはっきりした口調で容赦なく言った。 「もう私はあんたのフォローなんかできないんだから」 …そりゃ、そうだ。 彼女でもないんだから、とサチコは言わなかったけど、困ったような悲しいような顔をしたから、余計なことは言えなかった。 「な、サチコ」 俺は、ふっとまた、サチコと付き合えたらなあ、なんて思った。 「無理」 「ちょ、俺まだ何も…」
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7人が本棚に入れています
本棚に追加