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教師「えっ…え~、改めて、転校生の中村 遥君だ。 それじゃ、自己紹介して」
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転校生は頷くと口を開いた。
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遥「中村遥です。転校が多い為、もしかしたらまた転校することがあるかもしれませんが、それが短い期間になろうとも長い期間になろうとも、これからよろしくお願いします」
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凛(転校してきたばかりで、転校するかもしれない発言かよ)
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まあ、転校がそれほど多かったという事だろう。
それにしても変な自己紹介だ。
クラスメートのほとんどが少し困惑して居るようだった。
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教師「中村君はこれまで国内だけではなく国外にまで転々と移っているようだ。
勉強になると思うから、いろいろと教えてもらいなさい」
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生徒「はーい!」
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教師「それじゃあ席は、右側の一番後ろの席に座って」
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遥「はい」
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遥は再度頷くと、移動を始めた。
教師が指した席は俺の隣の席だった。
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男子1「ちぇ~、良いな~凜のやつ」
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男子2「羨ましい~」
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男子6「くぉ~~、何で俺の隣は空席じゃないんだ~~!」
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凜(うるさいな、俺が決めたわけじゃないだろ)
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席に座る遥。
その際に軽く会釈をしてきて、俺は合わせるように会釈を返した
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教師「突然で遥君の教科書は届いていないから、しばらくは杉浦に見せてもらいなさい」
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遥「はい!」
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教師「それじゃ、朝のホームルームを始める」
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俺は寝るように、机に伏せようとした。
そんな時、遥が話しかけてきた。
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遥「君は杉浦君って言うんだ? よろしくね!」
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俺は突然の言葉に
戸惑いながら返事をした。
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凜「あ・ああ……よろしく」
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遥「下の名前は何て言うの?」
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凜「凜」
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遥「杉浦凜君か~! いい名前だね~?」
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妙な奴だ
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凜「んあ? そりゃ…どうも」
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遥「凜君って呼んでいい?」
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凜「別に、良いけど…」
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遥「あは。ありがとう!」
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本当に妙な奴だな…
いきなりの質問攻めに少し戸惑ってしまった。
まあそれは俺が女と話なれてないせいでもあるとは思うが。
自慢にはならないが俺は周りから見れば少し無愛想に見えるらしく、
話しかけづらく思われているようで、初対面でいきなり質問攻めにあうのは珍しかった。
それに遥の笑顔に不思議な感じを抱かされた。
やっと質問が終わったと思うと、俺の顔をジーっと見つめだす遥。
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遥「う~~ん」
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凜「………」
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遥「う~~~ん」
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