9人が本棚に入れています
本棚に追加
凜「………」
・
遥「う~~~~ん」
・
凜「…な…なんだよ」
・
空気に耐えきれず、口を開く俺。
・
遥「う~ん…凜君からの質問はないのかな~?っと思って」
・
まったく思い浮かばなかった返答だった。
いつもならこんな時、「何か怒ってるんですか?」とか俺を無愛想に感じる返事がほとんどだった。
・
凜「はぁ? 質問? なんで?」
・
遥「いや~、転校する先々で最初に隣になった人には毎回質問攻めを受けていたから」
・
凜(今質問攻めを受けていたのは俺だけどな)
・
まあ、顔がこんなに可愛いんだ。質問攻めにあうなんてことはあるんだろうな。
だけど俺は特に聞きたいことなんてなかった。
・
凜「ふ~ん、俺は別に…」
・
遥「う~ん、それはそれで悲しい気もするけど」
・
どっちがいいんだよ!
・
遥「あっ!じゃあ凜君は私のことを「遥」って呼んでよ」
・
遥は名案が浮かんだような顔をしている。
何か第一印象と違って馴れ馴れしい性格だ。まあ勝手な思い込みだけど。
悪い印象にならないのがこいつの人徳なんだろうか。
独特で不思議な雰囲気がある。
・
凜「あ…ああ、分かった」
・
キンコーンカンコーン
・
教師「朝のホームルームは以上だ。 それじゃ、一限目の準備をして待っていなさい」
・
生徒「はーい!」
・
特に何も聞いてなかったが、担任は教室を出て行き。
教師の言いつけを守れない生徒達のおかげで教室は騒がしくなった。もちろん転校生のおかげで。
遥にチラホラと話しかけにくる生徒で遥の机の周りは小さな輪を作っていた。
俺はそれを気にすることもなく、次の授業の準備を始めた。
まあ、授業中は寝ているだけだがな。
・
凜(さ~てと、…寝よ)
最初のコメントを投稿しよう!