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右の男『なんだって、 失礼なやつだな…ったく!』
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それに続いて隣の男も。
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左の男『それにしても珍しいな、お前がこんな時間に来るなんて』
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凛『昨日言ったろ? 今日から1人暮らしだって。だから早めに起きて来たんだよ』
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左の男『あ~、そういえば、そんな事を言っていたな』
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この2人は中学の頃からの友人で、右の男が畑山浩二で左の男が滝本一矢。
なにかと気が合いつるむことが多い。
浩二と一矢は小学校からの付き合いらしい、浩二の方は簡単に言えば明るいお調子者で、一矢の方は冷静沈着で少しクールなやつ。眼鏡をかけていて清潔感が現れて見える。
タイプは一見正反対だが2人とも結構友人想いで気が合うらしい。
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浩二『っていうか、お前この時間に起きられるんじゃん?』
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凛『まあな、今日は起きられたよ』
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一矢『だったら以前から、もっと遅刻ぎりぎりになることも無かったんじゃないか』
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凛『今日はって言ったろ? 貴重な睡眠時間を削られるかよ』
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俺はその言葉から学園への歩みを再開させた。
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一矢『ふぅ~、お前ってやつは…』
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ため息を吐きながら浩二と一矢も後に続いた。
そして歩きながらも浩二が語りかけてくる。
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浩二『そういえば、お前の両親、どこに行ったんだっけ?』
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凛『北海道だよ』
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浩二は思い出したように自分の頭を叩く。
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浩二『あ~、そうだそうだ。でもお前の両親凄えよな? 父親の単身赴任に母親がついて行くなんてよ』
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一応それには俺も少しは驚いた。とはいえ結婚して子供を産んで何年経ってるとはいえ、あの2人はラブラブだったから、それを思うと驚きも少なくなる。
未だに休日の日は『デートに行ってくる』と2人そろって出掛けたり、もっと凄いのが同じ服を着て出て行ったりと、こっちが目を背けたくなるくらいだった。
まあ仲が悪いよりは良いけど、その為に放任主義だったりして。
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凛『まあな、ただ、別に凄くはないと思うぜ。あの2人じゃな』
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浩二『まあ…そう言われりゃそうだけどな…』
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うちの両親の事を思い出したのか浩二は苦笑いを浮かべた。
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凛『それに俺は1人暮らしだし、快適な生活が送れそうだから不満はないさ』
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浩二『あはは、確かに1人暮らしって楽しそうだよな~』
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正直リビングに3人で居ると2人の仲の良さに息苦しくなってくる事もあった。
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