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「ジャックさんは…ココで何をしてらっしゃるんですか?」
「僕は、本を読んでそれについて、学んだり、意見したりを趣味としているんです」
彼は淡々と語る
「ココは静かなので、それをココでやっているだけの事ですよ。」
彼は優しく笑った。
「疲れた時だけ、あのステンドグラスを見ます」
そう言ってステンドグラスを見上げる。
私も目線を上げた。
「そう言えば、アリスさん。
この辺りじゃ見ない顔だ、どこから?」
「あっ、今日引っ越してきたばっかりで…探検していたら、ココに迷ってきてしまいました…」
照れ笑いをすると、ジャックさんはとろける様な笑顔で微笑んだ。
「僕もそのクチですので。」
と目を伏せ、シンプルなメガネを上げる。
「アリスさんは…お幾つですか?」
「さぁ…何歳だと思いますか?」
私はニヤリと意地悪く笑った。
「ん~…17歳くらいですか?」
「ブー、20ですよ」
どうせ 童顔ですよ。
と不貞腐れてみた。
「何処かの大学生ですか?」
彼は鋭い。
「えぇ。」
私は短く答えた。
「実は僕、ある大学の司書をしているんです」
この町外れには 大学が二校だけある。
私は少し期待をした。
「ちょうどココから裏の道を行く大学なんですけどね」
ジャックさんは確信気味に言った。
「同じ大学なんですね」
私は嬉しくなった。
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