序章

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薄暗い路地を、二人の男は歩いていた。 平吉『やはり、夜になると幾分涼しくなりますね。』 岡引き姿の男が足元に行灯を照らしながら話した。 富田『あぁ、昼間は暑くて仕方ねぇ。すぐにバテちまう。』 もう一人の男は黒い羽織に袴姿。腰に二刀を帯びた同心だった。 二人は北町奉行所の同心、富田弥五郎と岡引きの平吉だった。 平吉『しかし、横内の旦那は無念でしたね。』 富田『あぁ、ありゃひどかったな。』 昨晩、奉行所の同心、横内作太郎が何者かの手によって暗殺されたのだ。
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