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男は物怖じせず、こちらを刺すように見ていた。
富田『名を名乗れ!!』
再び強い口調で推何した。
男『……石原丹兵衛。』
低い声で男は答えた。
突如、後ろからバタバタと踏みよる音が聞こえた。
富田『尾けられていたか!』
平吉『だ、旦那!!』
後ろから覆面姿の男が三人現われた。
石原『無仏重蔵一派の者よ。』
ニヤリと笑みを浮かべながら、石原は抜刀した。それに続くように後ろの男たちも刀を抜いた。
平吉も行灯を投げ捨て、懐から十手をとりだし、身構えた。行灯がボッと燃え上がり、辺りを明るくした。
富田『我ら八丁堀を襲うとは不届きなっ!!』
富田も抜刀し、中段の構えで石原に剣先を向けた。
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