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富田『平吉、突破しろ!!』
明らかに不利だった。前方の石原に剣先を向けるのが富田には精一杯だった。後ろの三人は平吉に任せるしかなかった。
石原は下段に構えていた。
…斬り捨ててくれるわ。
富田は胸の内で呟き、間合いを詰めていった。
一方、平吉は十手を構え、三人の男と対峙した。中央と右側の男が中段、左側が上段に構えていた。
突如、中央の男が振り上げざま斬り掛かろうとした。
キッーン!
高い金属音と共に平吉はその斬撃を十手で防いだ。
今だっ!
平吉は斬撃を防ぎざま、三人の男の包囲を突破しようとしたが、左側の男が上段から振り下ろした。
平吉『ぎゃっっ!』
男の上段からの斬撃が、平吉の背中を襲った。
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