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キシ・・・
縁側の板が小さな音をたてる。
「もうすっかり秋だな。」
秀吉は庭先で赤々とした葉を風に揺らす紅葉を眺めながらぼつりと誰にともなく呟いた。
戦もこれから迎える厳しい冬に向けておさまっていて、とても静かな朝であった。
と、その時紅葉のすぐ側にあるツツジがかさかさ・・・と揺れた。
「ん?」
秀吉は庭におり、そっとツツジに近寄った。
かさ・・・かささ・・・
じっと見つめていると、
ぴよと白いものが出てきた。
「クス、どうしたのだ?このような所で何しておるのだ?」
そう言いながら秀吉はその白いものを両手で優しく拾い上げた。
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