~秋のある日~

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拾い上げた白いものの正体は小猫だった。 真っ白い、うすら銀色味がかかった短毛の小猫。 「ふむ・・・野良猫にしては綺麗な小猫だな。いずこかの飼い猫か?」 秀吉は抱き上げた小猫を撫でながらさも、小猫に聞くように言った。 「にゃ~ん」 一方小猫はそんなこと知ってか知らずかかわいらしく一声鳴き、グルルと喉を鳴らしながら秀吉の大きな手に頭をなすりつける。 小猫の愛らしい仕種につい秀吉の口元も綻んだ。 「普通猫は懐かぬが・・・おぬしのような者もおるのだな。」 改めて秀吉は小猫の顔を覗き込んだ。
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