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そうして時間は過ぎ、時刻は真夜中になった。
結局小猫の飼い主はこなかった。
もしかしたら本当は野良猫なのか?と思いつつ秀吉は共にまだ細い月を眺める小猫にむかい、
「飼い主がいないならば我の元にいるか?"半兵衛"」
と聞いた。
小猫はじっと秀吉を見つめて、ひゅんと長いしっぽを一振りし、そっと頭をなすりつけた。
言葉一つ交わさないのに成り立つ会話。
それは決して独り言にはならず、会話になる。どこか心地よい時間。
「たまには、このような時があっても良いな。のう"半兵衛"」
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