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「そーらみろ、おれたちに謝れよ!」
一番生意気なチャッキーという名前の人形が真理子に怒鳴ってきたが、真理子も負けてはなかった。
「もう、なんであたしが人形のあんたたちに謝らないといけないのよ!それにあたしはまだ死にたくないの!」
真理子は老婆の方へ顔を戻した。
「おばあさん、元に戻る方法を教えて」
真理子がそう言うと、ますます人形たちは騒ぎ出した。
「なんなんです、さんざん文句を言っておいてお願いとは!」
「そうだそうだ!」
人形たちが次々に真理子に文句を言った。
「まあまあ、そんなに怒らなくてもね」
そう言って最後に彼らを沈めたのは、シャーリーという名の女の子の人形だった。一瞬静かになって真理子もシャーリーの方を向くと、シャーリーは何かを企んでいるかのように笑った。
「ふふ」
真理子は一瞬ドキッとした。
「ふふふふ」
他の人形たちも笑った。
「な、何よ…」
真理子は不安げにそう言った。そんな真理子の表情を見ながら、老婆が再び口を開いた。
「おまえさん、よっぽど生きていた頃に未練があるんじゃのう。じゃがわしは、おとなしく列車に乗っておいた方がええと思うがのう」
真理子は少し落ち着くと、また老婆に向って強気に言った。
「おばあさんの意見を聞いているわけじゃないの。あたしは帰りたいの。できるんでしょ!」
「できる」
「じゃあ教えて」
真理子がそう言うと、老婆は小さく溜息をついた。そしてそんな老婆を真理子は『なによ』と言わんばかりの目で見据えた。
「さあてのう」
老婆の言葉に真理子はイライラした。そして真理子の様子を面白がるかのように、人形たちが次々に口を開いた。
「教えてあげなよ、おばあさん」
「わたくしもその方がいいと思います」
「そうよ、教えてあげて」
老婆は真理子の意思を確認すると、言葉を続けた。
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