―序―

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「ここは…どこかしら…」    真理子は見回した。辺りは薄暗く、少し肌寒かった。真理子はここが今まで自分が見たことがない場所だということに気がついた。    真理子は左手をついて、ゆっくりと立ち上がった。ずっと座っていた後のように、少し足が痛かった。    ちょうど足が慣れてきた頃、真理子は遠くから光が差してくるのに気がついた。   「薄暗いところはキライよ」    真理子は少し腹を立てて呟いた。普段だったら側にいる誰かに怒鳴っていたかもしれない状況だったが、真理子の他にここには誰も居ないことは、薄暗い中でも感じることができた。    とにかく不思議な状況だったが、そもそもどうして自分がこんなところにいるのかも分からない。真理子は誰か見つけたら文句の一つでも言ってやろうと思いながら、光がさす方向へ向って歩いた。   「扉…」    目の前にあったのは扉だった。目の高さよりも少し高い位置にすりガラスの窓があり、そこから光がもれていた。    真理子は容易にとってを探し出すと、すかさず右手を差し出そうとした。    とたん、扉が開いた。
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