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「じゃあお嬢ちゃんを、元の世界へ幽霊として戻すことにしよう。死神と一緒にな」 「幽霊じゃないわよ。ちゃんとした生身の人間として戻してちょうだい!」    真理子は怒った。すると、怒った真理子に対して今度は人形たちが次々に怒った。   「話は最後まで聞くものよ」 「そうだそうだ、気が短いな」 「しかもお願いしている立場ですよ、君は」    まったく人形たちの言う通りだったが、それだけに腹も立つ。と、間の抜けたとんちゃんという人形がボソっとつぶやいた。   「そ、そこまで言わなくてもねえ…」 「そこまで言うんだよ、おれたちは!」    チャッキーはそう言うと、すかさずとんちゃんを睨みつけた。とんちゃんという人形は、どうにも他の人形たちのテンポについていけていないようだ。   「そこでじゃ。一人のあんたと同じくらいの歳の子を選んで死神に告げればいいんじゃ。できるかの?」    老婆は真理子に尋ねた。   「なあんだ、簡単じゃない。できるわ」    真理子はすぐに答えた。すると老婆は、ゆっくりと次の言葉を続けた。   「するとその子が代わりに…」    老婆は真理子の目をキッと見つめた。   「死んでくれるんじゃ」      見つめてくる老婆の目が、真理子の胸に刺さってくるようだった。けれど真理子は、負けじと平静を装った。   「そんな難しいことじゃ、な、ないじゃない」    真理子の答えを聞くと、老婆は続けた。   「そうじゃのう。ただし…」    さらに老婆の視線が強くなった。   「ただし時間は24時間以内じゃ。なるべくあんたが気に入らん子がおすすめじゃのう。そして時間内にできなかったら…」    そう言うと老婆はゆっくりと立ち上がった。背の高さは真理子と同じかむしろ小さいくらいなのに、とても大きな人物に見えた。   「あんたは生きているとも死んでいるともない、中途半端な存在になってしまうがの。どうする?」    老婆がそう言うと、人形たちも面白そうに続けた。   「どうする?」    老婆の言うことはよく分からなかったが、何かしら恐ろしさを感じた。しかしそれよりも何も、真理子は生き返りたかった。   「…も、もちろんするわよ。あたしがもとの世界に帰るためだもの。何だってする。それにやることは大したことないじゃない」
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