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「たいしたことない…か」    老婆は真理子に聞こえるようにつぶやくと、手順を説明した。真理子は説明された通り、印のついた床で横になった。人形たちが何か面白いものでも見るように集まってきたのが真理子にはしゃくにさわったが、無視した。もうすぐこの薄気味悪いところから開放される。生き返れる。そして…。   「パパ…、ママ…」    真理子の目に涙がにじんだ。あの日あの時、ママが運転していた車にあたしは乗っていた。そして…。    頭がぼうっとして意識が薄らいでいくのを感じた。    老婆の何か呪文の様なものを唱えるような声が聞こえた。    声が、遠のいていく。    人形たちの気配が消えていく。    そして…。  そし…。  ………
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