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「へえ、そんなことができるんじゃのう」    広島弁の男が驚いたように言った。実は3人の死人たちは真理子のことが気になり、駅長に頼んで魂使いの老婆の所へやってきたのである。そこで3人は、『24時間以内に自分と同じくらいの歳の子を選んで、代わりに死んでもらう』という事を条件に生き返ることが出来る事を聞かされたのである。   「そうさ。あの子は誰か一人、犠牲にしないといけないのさ」    チャッキーが面白そうに言った。   「私にはそんなひどいこと…」    恐ろしそうに女がそう言うと、プースケも楽しそうな顔をした。   「あなたができなくてもあの子はできるかもしれませんよ。けっこう気が強そうですし」    プースケがそう言うと、チャッキーと2人でまたクスクス笑い始めた。    関西弁の男はそんな人形たちに腹が立って何かを言おうとしたが、ふっと駅長に案内されて連れて行かれる時の真理子の顔を思い出した。   「せやけどあの子、そんなことできるやろか…」 「出来るも出来ないも、しないと困った事になるのよ」    関西弁の男の言葉を聞いて、今度はシャーリーが楽しそうに答えた。   「どうなるん…ですか」    女が恐々尋ねた。しかし人形はそろってニヤニヤしているだけだった。   「なんやねん!」    関西弁の男が怒って叫んだ。すると今度は老婆がゆっくりと口を開いた。
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