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 真理子は1人で公園で待っていた。いや、正確には1人ではなく、死神と2人でである。死神は別に真理子と話をするわけでなく、適当に遊具で遊んだり、ふわふわと浮いてみせたりして、好きに過ごしているようである。そして時たま真理子の方を見てニヤッと笑ったり、スウッと真理子の体を通り抜けたりしながら、また1人でうろうろしたりもしている。   「まだかなぁ。早く来ないかなぁ」    イライラしながら真理子がそうつぶやいた頃、遠くから明美が何かを持って笑いながら手を振って走ってきた。   「ごめーん、待たせたね」    明美は真理子の前までやってくると、そう言った。明美が持っているものは、どうやらスケッチブックのようだった。   「あ、一番に…来たの、ね…」    真理子は一度明美の顔を見た後、顔をそらして言った。   「ん?」    明美は真理子の顔をじっと見て、そしてすぐに笑って言った。   「あたしとは会いたくなかったぁ?なぁんてね」 「い、いえ、全然…」    真理子はポツリと答えた。本当はいつも通り答えたかったのだが、どうにもそんな気持ちになれなかった。真理子は明美が不思議そうに自分のことを見ているのに気がついて、思わず後ろを向いた。   すぐに明美の顔が、自分の顔の前に来た。   「ねえ、ちょっとどうしたの?なんか昨日の威勢のよさがないじゃない」    明美が面白そうに真理子に向ってそう言ったので、真理子は思わず大きな声を出した。   「そんなことはないわよ。もう、いちいちうるさいわねえ!」    しかし明美の顔に怒ったような表情は浮かばなかった。   「そう、それでこそ真理子ちゃんね」    明美の予想外の答えに真理子はビックリした。明美のことは、昨日までは生意気な子としか思っていなかったからである。
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