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そこへ、未希と聡史と裕太がやってきた。
「ゴメン、待たせちゃったわね」
未希が笑って言った。裕太はチラっと腕時計を覗いて、それから真理子の方を見上げた。
「でもちゃんと2時半には着けたかな」
「いいや、正確には2時30分7秒でっせ」
真理子の耳元で死神が面白そうに囁いたが、真理子はジロっと睨んだだけで無視をした。
「ねえ、何して遊ぶ?」
聡史がそう言うと、明美が持ってきたスケッチブックを取り出した。
「絵描かない?」
そう言って明美はスケッチブックを開くと、そこにはいろんな景色が描かれていた。真理子も絵は得意な方だったが、明美のスケッチブックに描かれた絵は、小学生とは思えないほどの出来だった。
「結構うまいじゃない」
真理子が思わず誉めると、明美はにっこりと嬉しそうに笑った。
「明美ちゃんは絵を描くのが好きだから、大きくなったら画家になるのが夢なんだもんね」
聡史も嬉しそうに明美のことを説明した。
「そうよ。あたし、いっぱいいろんな風景描きたいんだ」
明美はスケッチブックを抱き締めて、みんなの方を向いてそう言った。
「夢…あるんだ…」
真理子は明美の顔を見て呟いた。
「おれだって、将来は野球の選手になるぜ」
裕太は自信満々に真理子に向って言った。
「真理子ちゃんは?」
未希が真理子に尋ねた。
「ピアノ…」
真理子はそう言うと、下を向いた。
「へえ、まりこちゃんピアノ弾けるんだ。今度聞かせてよ!」
聡史は嬉しそうに言った。
「うん、私のママのピアノ使ったらいいわ。私もママにピアノ教えてもらってるのよ」
ピアノが好きな未希も、嬉しそうにそう言った。
とっても上手に絵が描ける明美。自信満々に野球選手になるって言える裕太。自分と一緒で、ピアノが好きな未希。そして、人のことなのに素直に喜んでくれる聡史。そんな4人を前に、真理子は次の言葉が出てこなかった。
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