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 人は死ぬと、霊界列車に乗り旅に出る。そして列車に乗っている間に次に生まれ変わるタイミングを見計らい、各々の駅で列車を降りる。    普通の列車の駅と異なるのは、列車に乗る駅と降りる駅が違うという事。それを除けば、なんら普通の列車と変わりはない。    そして、霊界列車の駅は賑やかであることが多い。列車に乗る多くの死人たちは、次に生まれ変わることに期待に胸を膨らませ、話がはずむからである。    しかし実際、列車を降りた瞬間から『死人』は『生まれる前の人』に変わるわけで、それに伴い生前の記憶を全て失う。また1から人生が始まるのである。    そして霊界列車には、もう一つ面白い特徴がある。それは、生前の行いによって席が異なるという事である。死人は良い行いをしてきた者から順に、特別席、普通席、ボロボロ席に振り分けられ、席のすわり心地や列車での待遇も異なってくる。    そしてあまり知られてはいないが、座った席により生まれ変わった後の人生の運が多少変化する。当然特別席に座ったものは運がよい人生を送れることになるし、幸運に溺れて羽目を外した生き方をした者は、次に死んでから特別席に座れることはない。    そして今日も3人、生前の話題や次にどんな生き方をしたいかなどの話をしながら搭乗手続きを待っていた。
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