事の始まり

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ガラガラ───       担任の奥野が入って来た 休み時間は過ぎて授業中であるが教室の中は未だに友達同士との会話で盛り上がっている      俺も友達との一団の中で当然のように騒いでいたので奥野が入って来た事すら知らずにまだワイワイやっていた    『おい、座れ―!』     奥野の一声もむなしく、聞く者は前列席の生徒だけであった     うちの学校はそんなに暴力やらイジメやらは少なかったが"集団"になるとたとえ相手が先生であろうと怯むことはないように思う     まぁ先生とは存在してるだけで生徒に対する威厳など俺にはみじんも感じられないのだから仕方ないのだが…     「座らんかッ!!」     もう一発奥野の怒号が教室に響いてようやく俺の頭の中に担任が居ることを気付かせた     みんなも俺と同様、ようやく奥野の存在を認知したらしくそそくさと自分の席についていく──
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