帰路

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今時の小学生にとって楽しみでもある、放課後がやってきた。 俺はもちろんアヤの手を引いて帰ろうとは思ったけど、アヤは既に友達を作っていた(適応が早すぎる!) ノートや新品の教科書を曲がらないように鞄に詰めて、立ち上がった。 がらり、と扉を開けると。 「―ぅ、あ、芦川」 三谷 亘。 「…三谷、だっけ?何?」 「べつに何って訳じゃないけど…芦川と帰ってみたいかなー…と」 意外な申し出だった。 まさか転校初日のヤツと一緒に帰ろうなんて言うヤツがいるとは思わなかった。 「―ああ、いいけど」 今日話しかけてきたヤツらの中で1番、何となく話しやすそうだったのが三谷だった(別に話が合うから、とかじゃなくて友好的、とかそういう意味で)
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