Dark side. 夕闇の中で

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あの後僕は芦川にサイダーをおごってもらって、二人で神社にいた。4時に学校を出たハズなのに、気が付けば時計は6時を回っていた。 (あああマズい…お母さんに怒られるかも!) すっかり暗くなってしまった道を軽快なステップで走る亘。 その後ろを、影がひとつ。 それの髪が風に揺れる度に、一歩ずつ歩を進め、亘に近付く。 「…あ、れ?誰かいるの?」 亘が歩を止めたその刹那。 背後から手が伸びる。 それは亘の肩を掴んで、そのまま壁に押し付ける。 「…っ、」 一瞬だけ呼吸が止まる。顔がかなりの至近距離なのか、その相手の吐息が顔にかかる。 (両手が熱い)(ううん、冷たい?) 早すぎる展開についていけないんだろうか、感覚が麻痺している…。何秒かしてから気付いた、自分が押し付けられている壁の冷たさより、自分を拘束している手の方が冷たい。まるで氷を素手で触ってるような―― (怖い)(このヒトは誰?)(誰か) (芦、川)
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