Side story/From vision

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…未来永劫、草木一本生えない、色彩のない荒野で、"ボク"と"ミツル"は生まれた。 ボク達は"本体"の―亘と美鶴の感情の一部から出来た、感情の集合体、独り歩きする影の存在。 ボクはミツルなんて嫌いだった。何を言っても二つ返事、ああ言えばこうの分からず屋。 …でも、そう思わなく…ううん、寧ろ『好き』になったのは最近の話。 ―ワタルは目を閉じて、腰に帯びた勇者の剣をも放り出して、乾いた地面に体を預けていた。 「…おい、ミタニ。―ミタニ?」「…煩いなあアシカワ。ボク寝てるの、わかる?」 意識がなくなりかけた時、横から声をかけられた。 (その声はアシカワ)(目なんか閉じてても判るよ、) だって、ココにはボクとアシカワしかいないもの。
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