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ミツルがワタルを揺り起こして、ようやくワタルは目を開いた。
―思ったより、シキンキョリ。
「で、さ。何か用?いつもは口利いてくれないのに」
「もうすぐ"あいつら"が来るからさ、知らせてやろうと思って」
…それまで働かなかった思考が、急にフル稼動し始める。
「"あいつら"?…ふーん、そう」
起き上がったワタルはどこか一点を見つめながら笑ってみせた。
その表情からただならぬモノを感じたミツルは、ワタルを横抱きにした。
「な…何するんだよ!放せよアシカワ!!」
「黙れよ。お前、何があった?」
抱きしめる腕にぎゅう、と力を入れれば急にワタルの抵抗がなくなり、すっぽりとミツルの体におさまる。
そして、ぽつりぽつりと話始めた。
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