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「あ、芦川。あいつ、三谷」
宮原が肩を叩く。
扉の方をふ、と振り向くと、ほんの数時間前に見た、青い上着を羽織った黒髪の男子。
横にはその時一緒にいた、(こいつのコトも宮原が言っていた)…小村、だっけ? が、いた。
いやいや取り巻きはそれだけじゃない。
後ろの扉も前の扉にも、人だかりが出来ている。
何だよソレ、ありえない。
『あの人?転校生』
『アシカワ君…だっけ?』
『え?すごいカッコイイんだけど!?』
(今なら動物園の動物の気持ちがよく分かる…気、が)
(俺は、見世物じゃ、ない!!)
クソ、何でこうなるんだ!?
とにかく、目の前の本に視線を走らせて気を紛らわせていた。
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